フリーペーパーって何?
『日本の広告費』2015年
フリーペーパー・フリーマガジンは
2303億円、前年比99.4%

 電通が毎年発表している「日本の広告費」2015年版によると、昨年の総広告費は6兆1710億円。前年比100.3%と4年連続で増加した。
 このうちフリーペーパー・フリーマガジンは2303億円で前年比99.4%。総額2303億円のうちフリーペーパーは730億円で前年比96.8%、フリーマガジンは1573億円で前年比100・7%。
 フリーペーパーの傾向として、「北陸新幹線の開業があった信越・北陸地域では、価格競争の緩和や単価の上昇により堅調に推移した」「業種別では求人情報、グルメ・飲食業などが増加した一方、美容関連、ショッピング関連で減少傾向が見られた」「地方創生が注目される中、エリアマーケティングの一手法として、地域密着のフリーペーパーを活用する動きも見られた」といった特徴が見られた。
 フリーマガジンでは、「幼稚園児を持つ親向けや高所得者向けなど読者限定型が好調に推移」「インバウンド需要に向けた多言語対応のフリーマガジンも出始めている」「業種別では特に旅行、ホテル、自動車などの出稿が増加」「ウェブマガジンのみだった会社が、紙媒体のフリーマガジンを出す動きも見られた」といった特徴が見られた。
 また、媒体別構成比(図参照)では、フリーペーパー・フリーマガジンの3.7%に対して雑誌が4.0%と、フリーペーパー・フリーマガジンの広告費が雑誌に迫る規模まで成長していることが分かる。
 なお、(株)電通 電通総研では「日本の広告費」の調査に付随して行なった「2015年フリーペーパー・フリーマガジン広告費調査より−フリーペーパー発行社・発行紙誌の動向」を発表している。ここでは同調査の概要と結果を紹介する。

媒体別構成比

2015年フリーペーパー発行社・発行紙誌の動向

「2015年フリーペーパー・フリーマガジン広告費調査」より
(電通 電通総研)

  1. 調査目的

    2015年のフリーペーパー・フリーマガジン広告費推定のための参考資料とすることを目的とした。

  2. 調査実施方法
    1) 調査対象
    全国のフリーペーパー(FP)・フリーマガジン(FM)発行事業者
    2) 調査方法
    郵送調査法
    3) 調査期間
    2015年12月1日〜2016年1月18日
    4) 調査実施主体
    株式会社 電通 電通総研
    5) 調査数
    調査事業所数  1,124社 (調査総数1,344社から廃刊・休刊、所在不明などを除いた事業所数)
    有効回答数(集計事業所数) 124社  
    回答率 11.0%  

1.発行フリーペーパー・フリーマガジンのタイプ(複数回答)

  • 「フリーペーパーのみ発行」が46.0%、「フリーマガジンのみ発行」は33.1%で、「両方発行」(15.3%)を合わせるとフリーペーパーが61.3%、フリーマガジンは48.4%となり、 フリーペーパー発行事業所の方がフリーマガジン発行事業所より多くみられる。

2.フリーペーパー・フリーマガジンの発行紙誌数

  • フリーペーパーの発行紙数は「1紙」が72.4%、「2紙」は14.5%、「3紙以上」が13.2%。一方、フリーマガジンの発行誌数は「1誌」が70.0%、「2誌」は18.3%、「3誌以上」は11.7%となっている。
    1社あたりの平均発行紙誌数は、フリーペーパーが1.9紙、フリーマガジンは1.7誌とほぼ同数となっている。

    <参考>調査対象事業所(1,124社)の発行紙誌数はフリーペーパーが1,091紙、フリーマガジンが729誌、定期発行チラシなどが185紙、合計2、005紙誌と推計される。

3.フリーペーパー・フリーマガジンの発行部数

  • 1回あたりの1紙誌平均発行部数は全体で14.5万部。フリーペーパーは18.2万部、フリーマガジンは10.8万部。
  • 1回あたりの1社平均発行部数は全体で19.8万部。フリーペーパーは20.5万部、フリーマガジンは13.6万部。

    <参考>調査対象発行社(1,124社)の合計発行部数は2億2,280万部と推計される。内訳はフリーペーパーが64.1%、フリーマガジンが34.7%。地域別にみると「関東」で3割強を占めている。

-1.フリーペーパーの広告収入額

  • フリーペーパーの広告収入額は「1億円〜3億円未満」が21.1%で最も多い。次いで、 「1000万円〜3000万円未満」(17.1%)「5000万円〜1億円未満」(15.8%) 「1000万円未満」(14.5%)の順となっている。1社あたりの平均広告収入額は3億2,622万円、前年比は88.8%。

-2.フリーマガジンの広告収入額

  • フリーマガジンの広告収入額は「1000万円未満」が23.3%で最も多く、次いで「1000万円〜3000万円未満」「1億円〜3億円未満」(各18.3%)「3000万円〜5000万円未満」(8.3%)「5000万円〜1億円未満」(6.7%)の順となっているが、1億円未満の広告収入が全体の6割近くを占める。1社あたりの平均広告収入額は1億5,709万円、前年比は100.7%。

-3.その他(定期発行チラシなど)の広告収入額

  • 定期発行チラシなどの広告収入額は「1000万円未満」(47.6%)が半数近くを占め、「1000万円〜3000万円未満」(14.3%)「3000万円〜5000万円未満」(9.5%)がこれに続く。1社あたりの平均広告収入額は1,495万円、前年比は110.5%

-4.フリーペーパー、フリーマガジン、定期発行チラシなどの合計広告収入額

  • フリーペーパー、フリーマガジン、定期発行チラシなどの合計広告収入額は「1000万円未満」「1億円〜3億円未満」がそれぞれ21.8%で最も多い。
    次いで、「5000万円〜1億円未満」(11.3%)「1000万円〜3000万円未満」(9.7%)「3000万円〜5000万円未満」(8.9%)の順となっている。
    1社あたりの平均広告収入額は2億2,434万円、前年比は91.7%

5-1.イベントプロモーションや編集委託業務の受注状況

  • 2015年にイベントプロモーションや編集委託業務を受注した事業所は31.5%。
    発行種類別では、フリーマガジン発行社での受注率は38.3%でフリーペーパー発行社(28.9%)より高くみられる。
    地域別では、関東(45.0%)で受注率が高い。

5-2.イベントプロモーションや編集委託業務の売上額

  • イベントプロモーションの売上額をみると、「500万円未満」が39.1%で最も多く、次いで、「1000万円〜3000万円未満」(26.1%)「5000万円以上」(17.4%)の順で平均売上額は4,905万円。発行種類別の平均売上額は、フリーペーパー発行社が6,889万円でフリーマガジン発行社(6,360万円)より多い。
  • 編集委託業務の売上額は「500万円未満」(64.0%)が最も多く、「500万円〜1000万円未満」「1000万円〜3000万円未満」(各16.0%)がこれに続き平均売上額は670万円。 発行種類別の平均売上額は、フリーマガジン発行社が940万円でフリーペーパー発行社(859万円)より若干多い。

6.フリーペーパー・フリーマガジンと連動させたWebマガジンの発刊状況

  • Webマガジンを「発刊している」のは全体の33.9%、「発刊する計画がある」が17.7%で合わせると5割強がWebマガジンの発刊を推進している。
    発行種類別でみると、フリーマガジン発行社では「発刊している」が46.7%でフリーペーパー(27.6%)より発刊率が高い。
  • Webマガジンの広告収入額をみると、「500万円未満」が28.6%で最も多く、1社あたりの平均広告収入額は1,761万円。
    発行種類別にみると、フリーペーパー発行社(2,802万円)とフリーマガジン発行社(2,835万円)の平均広告収入額の差は殆どない。

7.2015年の広告収入等の変化や特徴(複数回答)

  • 全体では「出稿量の減少」が50.8%で最も多い。 次いで、「費用対効果の要望増加」(49.2%)「広告予算規模の縮小」(38.7%)「単価下落/価格競争激化」(37.1%) 「出稿の短期化・スポット化」(25.0%)が続く。
    発行種類別に比較すると、「出稿量の減少」(FP59.2%、FM50.0%) 「単価下落/価格競争激化」(FP48.7%、FM30.0%)はフリーペーパー発行社で多くみられ、 一方、「費用対効果の要望増加」(FP52.6%、FM55.0%)はフリーマガジン発行社で多くあげられている。

8.2016年の広告収入見込み

  • 2016年の広告収入の見込みは、全体では「現状維持だと思う」が49.2%、「減少すると思う」は31.5%、「増加すると思う」は9.7%となっている。
    発行種類別では、「減少すると思う」はフリーペーパー(36.8%)の方がフリーマガジン(26.7%)より多くみられる。

9.発行版数

  • 発行版数は、全体では「1版」が41.0%で最も多く、次いで、 「3〜5版」(9.8%)「2版」(7.5%)の順で平均版数は10.4版となっている。
  • 発行種類別でみると、フリーペーパーは半数近くが「1版」(48.4%)の発行でフリーマガジン(32.9%)より多い。
    なお、平均版数はフリーペーパーが2.2版、フリーマガジンは7.9版となっている。

10.フリーペーパー・フリーマガジンの1回あたり発行部数

  • 1回あたりの発行部数は、全体では「5万部未満」が26.6%で最も多く、次いで、「5万〜10万部未満」(26.0%)「10万〜20万部未満」(20.2%)の順。
    平均発行部数は14万5000部。
  • 発行種類別にみると、フリーペーパーは「5万〜10万部未満」(25.8%)「10万〜20万部未満」(23.7%)に集中している。
    一方、フリーマガジンは「5万部未満」が35.6%で最も多く、次いで、 「5万〜10万部未満」(28.8%)「10万〜20万部未満」(16.4%)が続く。
    平均発行部数は、フリーペーパーが18万2000部、フリーマガジンは10万8000部。

11.判型

  • フリーペーパーは8割が「タブロイド」。
    一方、フリーマガジンは「A4判」が最も多く46.6%、次いで、「AB判」(17.8%)「A5判」(12.3%)「B5判」(11.0%)の順。

12.創刊時期

  • 全体では「1994年以前」が3割を占める。次いで、「2001年〜2005年」(19.1%)「1995年〜2000年」(13.3%)の順。
    なお、2015年の創刊は1.7%となっている。
  • 発行種類別では、フリーペーパーは「1994年以前」に創刊した20年以上の発行歴のあるものが4割強を占める。なお、最近3年間に創刊したものは3.3%と少ない。
    一方、フリーマガジンは「2001年〜2005年」(20.5%)が創刊のピーク。以降、発行は下降傾向にあるが、最近3年間に創刊したものは15.1%でフリーペーパーより多くみられる。

13.発行日(複数回答) 

  • 全体では「月の指定日」が37.6%で最も多い。次いで、「金曜日」(20.2%)「その他定期」(15.0%)が続く。
  • 発行種類別にみると、フリーペーパーは「金曜日」(35.5%)の発行が多い。
    一方、フリーマガジンは「月の指定日」(56.2%)の発行が多く過半数を占めている。

14.発行頻度(複数回答)

  • 全体では「月刊」が39.9%で最も多い。次いで、「週刊」(19.1%)「その他定期」(12.7%)「季刊」(12.1%)の順。
  • 発行種類別ではフリーペーパーは「週刊」(30.1%)と「隔週刊」(14.0%)が多く、一方、フリーマガジンは「月刊」(45.2%)「季刊」(26.0%)が多い。

15.平均建てページ

  • フリーペーパーは「8頁以下」(60.2%)が6割を占め最多。これに「9〜16頁」(24.7%)が続く。平均建てページは10.2ページ、カラーページ率は92.4%。
    一方、フリーマガジンは「29〜40頁」が23.3%で最多。次いで、「61〜100頁」(15.1%)の順。平均建てページは49ページ、カラーページ率は96.5%。

16.段組

  • フリーペーパーの段組は「11段」(35.2%)が最も多い。次いで、「13段」(15.5%)「12段」(12.7%)の順。平均段数は12.5段。
    一方、フリーマガジンは「8段以下」が9割を超え、平均段数は4.3段。

17.配布形態・方法(複数回答)

  • 全体では「新聞折込」が39.9%で最も多く、これに「宅配(ポスティング)」(39.3%)がほぼ同数で続く。以下、「店頭設置」(38.2%)「公共施設設置」(33.5%)の順。
  • 発行種類別でみると、フリーペーパーは「新聞折込」(61.3%)が圧倒的に多い。
    一方、フリーマガジンは「店頭設置」(53.4%)「公共施設設置」(42.5%)「希望者限定郵送配布」(17.8%)が多くみられる。

宅配(ポスティング)の配布手段(複数回答)

  • 宅配(ポスティング)の手段は、全体では45.6%が「自社組織」での配布。「外注」に委託は19.1%となっている。
  • 発行種類別でみると、フリーペーパーは「自社組織」配布が多く61.1%を占める。
    一方、フリーマガジンは「外注」(34.5%)と「自社組織配布」(31.0%)との差はあまりみられない。

18.編集機能(複数回答)

  • 全体では「自社内独自制作」が75.7%、「外注(外部委託)」は24.9%となっている。
  • 発行種類別でみると、「自社内独自制作」はフリーペーパーで79.6%と多く、 「外注(外部委託)」はフリーペーパー(20.4%)よりフリーマガジン(31.5%)で多い。

19.編集内容(複数回答)

  • 全体では「イベント・行事」が81.5%で最多。これに「グルメ」(74.0%)「趣味・教養」(64.7%)「芸術・演劇等の文化情報」(58.4%)「レジャー・旅行」(54.9%) が続く。
  • 発行種類別でみると、フリーペーパーでのトップ5は1位が「イベント・行事」(93.5%)、2位は「グルメ」(82.8%)、3位は「趣味・教養」(77.4%)、以下、「芸術・演劇等の文化情報」(71.0%)、「レジャー・旅行」(66.7%)となっている。
    一方、フリーマガジンでのトップ5は1位は「グルメ」(69.9%)、2位は「イベント・行事」(68.5%)、3位は「趣味・教養」(54.8%)、以下「芸術・演劇等の文化情報」「レジャー・旅行」「健康・医療」(各45.2%)の順。
    なお、フリーペーパーとフリーマガジンを比較すると、全ての項目でフリーペーパーの方がスコアは高いが、両者の差が大きい項目としては、「育児」(FP54.8%、FM23.3%)「住宅・不動産」(FP57.0%、FM28.8%) 「冠婚葬祭」(FP44.1%、FM16.4%)「芸術・演劇等の文化情報」(FP71.0%、FM45.2%)「スポーツ」(FP52.7%、FM27.4%)等があげられる。

20.主な広告の種類(複数回答)

  • 全体では「住宅・不動産」(60.1%)が最も多く、次いで、「グルメ・飲食業」(59.5%)「カルチャー教室」(50.9%)「美容」(49.7%)「ショッピング」(46.2%)が続く。
  • 発行種類別にトップ5をみると、フリーペーパーでは1位が「住宅・不動産」(72.0%)、2位は「グルメ・飲食業」(69.9%)、3位は「美容」(62.4%)、以下、「カルチャー教室」、「食品・薬品・化粧品」(各59.1%)となっている。
    一方、フリーマガジンは1位が「グルメ・飲食業」(52.1%)、2位は「住宅・不動産」(49.3%)、3位は「カルチャー教室」(42.5%)、以下、 「美容」「ショッピング」(各38.4%)となっている。
    また、フリーペーパーとフリーマガジンを比較すると、全ての業種でフリーペーパーのスコアがフリーマガジンを上回り、フリーペーパーの方が幅広い業種が広告を掲載しているといえる。
    なお、フリーペーパーとフリーマガジンのスコアの差が大きい業種としては、「食品・薬品・化粧品」(FP59.1%、FM24.7%)「旅行・ホテル」(FP55.9%、FM31.5%)「美容」(FP62.4%、FM38.4%)等があげられる。

21.前年と比べ増加した広告、減少した広告(複数回答)

【前年と比べ増加した広告】

  • 前年と比べて増加した広告は、全体では「住宅・不動産」(28.0%)が最も多く、「求人情報」(26.0%)「グルメ・飲食業」(22.0%)「食品・薬品・化粧品」(17.0% )がこれに続く。
    発行種類別に増加業種の上位をみると、フリーペーパーでは「グルメ・飲食業」(28.1%)が1位、「求人情報」(26.6%)が2位、以下、「住宅・不動産」「食品・薬品・化粧品」(各21.9%)「旅行・ホテル」(15.6%)の順。
    一方、フリーマガジンでは1位が「住宅・不動産」(43.8%)で他を引き離しており、次位が「求人情報」で25.0%となっている。

【前年と比べ減少した広告】

  • 前年と比べて減少した広告は、全体では「美容」が39.0%で最も多く、次いで、「グルメ・飲食業」(32.4%)「住宅・不動産」(31.4%)、やや離されて「ショッピング」(19.0%)が 続く。
  • 発行種類別にみると、フリーペーパーでは「住宅・不動産」(40.3%)、フリーマガジンでは「グルメ・飲食業」(54.8%)の広告の減少がそれぞれ多くみられる。

22.主な読者ターゲット(複数回答)

  • 全体では「主婦」を主なターゲットとするものが60.1%で最も多く、これに「シニア」(43.9%)「女性20〜34歳」(32.4%)「キッズ・ファミリー」(22.5%) 「OL」(21.4%)が続く。
  • 発行種類別にみると、フリーペーパーでは「主婦」(67.7%)「シニア」(54.8%)を主なターゲットにしているものが多く、一方、フリーマガジンでは「女性20〜34歳」(39.7%)「OL」(27.4%)に加えて「ビジネスマン」(24.7%) 「男性20〜34歳」(20.5%)の割合が多くみられる。

23.主な読者ターゲットの年代(複数回答)

  • 主な読者ターゲットの年代は、全体では「40代」(64.2%)「50代」(63.0%)の割合が高く、これに「60代以上」(49.7%)「30代」(48.6%)が続く。
  • 発行種類別にみると、フリーペーパーはフリーマガジンと比べ「50代」(74.2%)「60代以上」(62.4%)の割合が高く、一方、フリーマガジンは 「30代」(63.0%)の割合が高い。

24.媒体の分類(複数回答)

  • 全体では「生活情報紙誌」(45.7%)が最も多く、離されて「タウン紙誌」(20.2%)、さらに離されて「特定ターゲット紙誌」(12.1%) 「コミュニティ紙誌」(11.6%)が続く。
  • 発行種類別にそれぞれを比べると、フリーペーパーでは 「生活情報紙誌」(57.0%)、一方、フリーマガジンは「特定ターゲット紙誌」(26.0%)の割合が高くなっている。
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